真夏、ベランダガーデンは青々と葉が茂り、力強さを感じる季節。
ベランダだと日本の灼熱の夏と風で鉢の乾きも早いので、水やりも最低1日に1回、ときには1日2回は必要なので、ベランダに出る時間も多くなります。
そして、その作業に没頭していると・・・
「ぷ~~~ん」
と耳元で不快音。
そう「蚊」です。
もちろん、その羽音が不快なだけではなく、ガンガン刺されます。
ベランダだと他に餌(血を吸う対象)もいないことから、人間が出てくると一気に襲い掛かるからでしょうか。すくなくとも我が家のベランダでは夏場、いつも蚊の大群に襲われていました。
ダッシュで水やりをしても、
音速で網戸の開け閉めをしても、
結局刺されますし、屋内にも入り込んできます。
家族が刺されるたびに、何とかならないのか?と言われる始末でした。
それよりも、真夏のベランダでも植物たちの世話をしたいのに、蚊のせいで長居できない環境をなんとかすべく様々な対策をしたのが功を奏し、蚊による被害が大分少なくなりました。その経験をもとに、夏場でもベランダガーデニングを皆さんに楽しんで頂けるよう、対策方法について紹介していきたいと思います。
まず、敵(蚊)について理解する。
彼を知りて己を知れば百戦危うからず、と言いますが、蚊についてもその生態を正しく知ることが、まずはやるべきことと思います。その理解があれば、本記事で紹介している対策以外にも、自らのベランダ環境に合わせた対策のヒントがきっと思いつくはずです!
蚊の種類
血を吸う蚊で代表的なものは「アカイエカ」「ヒトスジシマカ」「チカイエカ」ですが、このうち「アカイエカ」は夜に活発に活動しますので、主にベランダでうざったい存在は「ヒトスジシマカ」と「チカイエカ」になります。
対策としては筆者の経験上、同じになると思いますが、夜、屋内で飛んでるのは夜に活発に活動する「アカイエカ」であることが殆どです。
活動期間と時間帯
蚊が活発に活動する期間は、やはり夏場の7月~9月頃になりますので、この時期(また発生する前の梅雨ごろ)にしっかりと対策を始めることが大事です。
活動する時間帯は、朝方から夕方など、夏場でも比較的涼しい時間帯に動きが活発になります。そう、水やりのタイミングとバッティングするのです・・・
行動と生態
太陽光が良く当たる場所や、風通しの良い場所は嫌い、日当たりが悪く、じめじめっとした風通しが悪い場所を好みます。子であるボウフラはきれいじゃない水たまにり生息し、夏場は産卵後2日で幼虫に、その後10日ほどで成虫になるサイクルを繰り返します。(超重要!)
成虫となった蚊の移動範囲は50~100 mと言われていますので、お隣のベランダから飛んでくることもあります。来るものは防げませんが、近所迷惑になりたくないので、せめて自宅のベランダは蚊ケアをしておきたいものです。
蚊は自由に飛んでるように見えて、人や動物の呼吸、におい等に引き寄せられるので、お酒を飲んだ後は二酸化炭素を吐き出す量が増えるので刺されやすくなります。
その他、俗説っぽいですが男性、O型、成人、黒い服などを目指して寄ってくるとも・・・。
これらの蚊の行動と生態の理解はとっても大事ですので、蚊がキライだったら頭に叩き込みましょう!より詳しく知りたい方はこちらを参照ください。
https://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/515811_3922198_misc.pdf
発生源を断つ!
発生してからの対策も必要ですが、発生する前に予防する活動もとっても大事です。
先ほど、蚊が産卵した後2日で幼虫に、その後10日ほどで成虫になるサイクルを繰り返す、と説明しましたが、このサイクルを鑑みると、ボウフラがいそうな水を1週間に一度捨てることをすると、ちょうどこのサイクルを妨げることができますので、新たな蚊の発生を予防することができます。
ベランダガーデンで特に気を付けるべき場所は以下の通りです。気を付けてご自宅のベランダを観察してみてください!
・鉢の受け皿
・ベランダの溝や排水溝(詰まってて水が溜まってないか)
・テーブルや椅子、置きっぱなしのモノなど(雨水が溜まってないか)
・水槽や睡蓮鉢
水槽や睡蓮鉢などで、水生植物をベランダで育てる場合は、金魚やメダカの投入をお勧めします。
ボウフラはこれら小魚の餌になりますので、蚊の発生サイクルを防除する効果があります!
そして何より魚たちをベランダで飼うのって日常に変化があって楽しいですよ~
蚊が嫌がる環境を作る!
蚊の発生源を断つことで、かなり蚊の被害はマシになるはずですが、完全に防ぐことはできません。また、前述のとおり奴らは100mほどは難なく移動してベランダの外から侵入してきますから、やはり対策が必要です。
蚊は太陽光が良く当たる場所や、風通しの良い場所は好まない生態ですので、一般的なベランダの環境(陽が当たり、また地上より風が強い)であれば、そもそも蚊は近づきにくい環境と言えます。
日当たりの悪いベランダだと、ジメジメとしやすいので逆に蚊の好む環境になるため、そういったベランダの場合には、発生源を抑えたり、蚊よけといった他の対策で手を打つのが現実的です。
その他、蚊が嫌がる環境づくりとしてよく、「虫よけハーブ」なるものが巷では紹介されてます。
筆者は「自然派!」でありたいので、こういった虫よけハーブを様々試したのですが、結論から言うとこれらの植物では蚊よけにはなりません。
ミント(ハッカ)、レモンユーカリ、センテッドゼラニウム、レモンバームなどなど。
これらの植物を置けば蚊が来ませんとうたっている媒体は、申し訳ないですが結構いい加減だと思います。多少の効果があるのかもしれませんが、ベランダーからするとあってもなくても変わりません。この対策だけでは、蚊の大群に襲われること請け合いです(涙)
ただ、植物としては、どれも素晴らしい香りのする子たちですので、純粋に楽しむ分にはとってもおすすめです!
蚊よけを使う!(結局蚊取線香が最強説)
蚊が寄り付かない環境をつくることがとても大事ですが、対処策としての「蚊よけ」は必須アイテムです。筆者は蚊よけも様々試しましたので、イケてるものとそうでないものを忖度なく書きたいと思います。
スプレータイプ
まず、化学的な「毒」っぽくて使うのが不安になるのですが、スプレーはかなり効き目があると実感します。ただし、屋内のみです。ベランダで使っても風で拡散してしまうので、効き目は殆どありません。屋内への蚊の侵入に困っている方にはかなりお勧めはできます。強力でホントに蚊が家の中に入ってこないです。
ベランダでの作業開始前に、ワンプッシュしておくと、蚊の侵入を防げるのでおススメです!
その他、スプレーというと自分に吹きかける虫よけスプレーがあります。筆者は色々試したのですが、虫よけスプレーをかけていても、普通に刺されますのであまり期待していません。特にハーブなどのナチュラル成分を謳っているやつは、殆ど気休め程度にしかならないと思いますが、それでもないよりは・・・というところでしょうか。
掛けておくタイプ
これは、「蚊」が来ないとうたっている商品が多いですが、よく商品の説明を読むと「蚊」は「蚊」でも「ユスリカ」が寄ってこないというオチだったりします。何を言ってるのかと言うと・・・冒頭の蚊の種類を思い出して下さい。そう、人を刺す蚊は「アカイエカ」「ヒトスジシマカ」「チカイエカ」の3種類にほとんど大別されます。ユスリカは人を刺さないのです。
商品のパッケージを見ていると、これって殆ど詐欺なんじゃないかと筆者は思います。購入を検討している方はよく説明を読んで購入下さい。
掛けておくといっても、首にかける強力なタイプで刺してくる蚊に効くものもあり、こちらはしっかりと効き目を実感できたのでおススメです!完璧ではないですが、蚊に刺される頻度が減りました。
置くタイプ
置くタイプも屋内だとしっかり効き目を実感できます。点けていると、部屋で亡くなっている蚊や、フラフラになって弱弱しく飛んでいる蚊を見かけることが多くなりますし、実際刺される頻度も下がります。
スプレータイプと同様に、屋内では強力ですがベランダでは殆ど聞きません。当たり前ですが・・・。
こちらもベランダ作業中に室内に入り込もうとする蚊を防ぐ目的で使用するのが良いでしょう。
昔ながらという感じもしますが、やはり長い年月で研究されているのでしょうかね、アースノーマット効きます。。
結局煙が出るタイプがベランダでは一番効果的
色々試した結果ですが、結局のところ蚊取り線香(煙が出るやつ)が最強の蚊よけである、と筆者の中では結論が出ています。
蚊は、間違いなく「煙」を嫌がってるのが実感できます。
蚊取り線香に限らず、キャンプの焚火の煙なども効果が感じられます。
線香でなくても、普通のお香でも効き目を感じますので、自分の好みの香りのお香を焚いて、ベランダ作業に没頭するのもお勧めです。
難点は、長時間ベランダで作業する際には、お香の消費量が増えるということくらいでしょうか。
洗濯物を干してると、匂いもついちゃうので、嫌な方は注意です。即ち、隣家に煙が漂いかねないので、その点も注意しなくてはいけないということです。
ご自宅のベランダの配置や形状、風向きなどをチェックして、煙が出ても問題ない環境下か確認しておきましょう!
結局、煙が出るタイプが最強です。
最近は、蚊取り線香ホルダーもカッコいいものがありますので、見た目的にもGOODです!
戦わずして勝つ(蚊を避ける)!
蚊避け対策をこれまで書いてきましたが、かの孫氏が言うように、そもそも「戦わずして勝つ」のが最善の策であることに違いはありません。
では、蚊と戦わないためにはどうすればよいのか!?
方法を見ていきましょう。
活動しにくい時間帯にベランダに出る
まずは、蚊の活動時間帯である朝と夕方以降を避け、真昼間にベランダでの作業を行う方法があります。
ただ、、そんな昼間に自宅にいないことも多いでしょうし、何より真夏だときついです(笑)
前述のとおり、気温が35度以上になってくると蚊の活動量が落ちますので、蚊に刺されるリスクは減りますが、一方で熱射病リスクが出て来ますので、あまり長時間ベランダにいるわけにもいかないです。
また、真夏にベランダでやることと、と言えば主に水やりになるのですが、昼間に水やりをすると、あっという間に水分が蒸発して鉢が蒸れ、植物が大きなダメージを受けるリスクもあります。
蚊が死ぬほど苦手、という場合には昼間にベランダに出るのが有効な手段にはなりますが、色々リスクがありますので、筆者としては強くお勧めできる方法ではありません。書いておいてなんですが(笑)
夏場にあまり外にでなくてもよい植物を選ぶ
夏場になると、ベランダでの水やり頻度が多くなります。
これはベランダが乾燥しやすいこともありますが、最近の日本の夏は暑いことこの上ないので、建物が熱せられて、ベランダガーデニングを楽しむ人にとっては、悩みの種です。
そこで、水やり頻度を減らすための施策として、あまり水やりが必要ない植物たちをベランダに配置する方法があります!
サボテン、多肉植物、塊根植物などなど、、夏の直射日光が苦手ではないか?だけ気を付けて配置すれば、水やりの頻度を下げることができます。
こちらの記事に、水やりが少なくても行ける植物たちを紹介していますので、是非参照してみてください!
蚊よけ帽子や長袖・長ズボンで完全ブロック
最後の手段は、物理的に蚊をブロックする方法です。
肌が露出していなければ(正確には厚手の生地で覆われていれば)蚊には刺されませんので、やつらを気にすることなくベランダ作業に没頭できます。
紫外線対策にもなるので、良い点もありますが、難点は夏に暑苦しい恰好をすることでしょうか。
なお、この方法を採用する場合には、靴下も厚手のものを履くことを忘れずに。
足の甲とか指とか刺されると、めっちゃかゆいですからね・・・
まとめ
以上、いろいろな蚊よけ対策を紹介してきましたが、1つだけを実行する、というよりは、これらの蚊よけ対策を組みあわせることで、その効果が最大化します!1つだけではなくて複数の方法を同時に行うことでより効果がでますので、ぜひいくつかピックアップしてお試し下さい。
まめると、夏場のベランダではこのようなルーティンになります!
- ベランダに出る前に、蚊がこなくなるスプレーやアースノーマットなどで、蚊が屋内に侵入しないようバリアをつくる。
- ベランダに出る5分くらい前に、蚊取り線香を炊いておく。
- お出かけカトリスを首からかける。
- 気休め程度に虫よけスプレーを肌の露出部分にかける。
- 気にならない場合は、蚊よけ帽子や長袖、長ズボン、靴下を装備。
- そして、いざベランダへ出陣!
それでは、これから迎える暑い暑い夏にあっても、皆さんがベランダガーデンを楽しめるよう、健闘を祈ります! 蚊に負けずに頑張っていきましょー!!!